ダンボールは少しの衝撃や接触で簡単に凹んだり、穴が開いてしまうことがありますよね。
特に綺麗なダンボールや限定版のものであれば、その損傷は大きな問題となることもあります。
そこで、家庭にある道具を使ってダンボールの凹みやしわを解消する方法をご紹介します。
手軽に試せるこの方法で、ダンボールが凹んでしまったときはぜひ試してみてください。
ダンボールの特性と凹みの直し方について
ダンボールはその耐久性と構造から、荷物の運搬に広く用いられる紙製の材料です。
この耐久性は、ダンボールの特有の構造に由来しています。
ダンボールは一般的に、表面のライナー、中間の波形の芯、そして裏面のライナーという三層構造で構成されています。
中間層の波形構造は「トラス構造」とも呼ばれ、外部からの力を効率的に分散させるため、通常の紙に比べて強度があります。
しかし、この三層構造のために、ダンボールの凹みを修正するのは困難な場合があります。
通常、紙製品は凹みや変形が生じた場合、紙繊維を伸ばしてある程度元の形に戻すことが可能ですが、完全な修復は難しいです。
それでも、適切な方法を用いることで、凹みを目立たなくすることは可能です。
ダンボールの凹み修復ガイド
ダンボールは三層構造を持っているため、単一の層のみの修正では完全な修復は望めません。
特に中央の波形層がつぶれている場合、完全に元の状態に戻すことは非常に困難です。
しかし、破損していなければ、見た目を改善することは可能です。
凹んでしまったダンボールには、以下に示す手順を試してみてください。
アイロンを利用したダンボールの凹み修正方法
ダンボールの凹んだ部分にアイロンを使って熱を加えると、繊維が収縮し、凹みが目立たなくなることがあります。
ただし、ダンボールが中央層に波形の構造を持つ場合、この方法は表ライナーに限られたダメージに対して効果的です。
コーティングされたダンボールの場合、コーティングが変形しないよう当て布を使用してアイロンを行うことが重要です。
いずれの場合も、最初に目立たない部分で試してから本格的に実施することをおすすめします。
【必要なもの】
- アイロン
- 当て布(使用可能な場合)
●手順(コーティング無しの場合)
- 目立たない部分でアイロンを試し、問題がなければ低温設定で凹んだ部分にアイロンをかけます。アイロンを長時間同じ場所に置かないように注意してください。
- 効果が見られない場合は、温度を少し上げて再試行します。
- 凹みが目立たなくなったら、粗熱が冷めるまでそのままにし、冷めたら重石を置いて形を整えます。
●手順(コーティングありの場合)
- 目立たない部分でアイロンを試し、コーティングが収縮または変形するようなら、アイロンは裏側から当てます。
- 当て布を使用し、アイロンをかけることで直接熱が伝わるのを防ぎ、コーティングへのダメージを減らすことができます。アイロンは数秒ごとに位置を変えてかけることが効果的です。
- 修正後、粗熱が取れるまでそのままにし、冷めたら均一になるように重石を置きます。
スチームを活用した凹み修正方法
紙の歪みや凹みを修正する手段として、スチームを利用する方法も効果的が見込めます。
この方法では、スチームの蒸気をダンボールに当て、紙繊維を柔軟にし、その後乾燥過程で形を整えます。
大きな凹みを完全に元に戻すのは難しいかもしれませんが、ある程度の修正は可能です。
【必要な道具】
- スチーマー
- 平坦な面を確保するための板
●実施手順
- ダンボールを平らな場所に置き、例えばテーブルの上に板を置いて均一に重石を載せます。
- ダンボールの断面(波形が見える側)にスチームを当てます。スチームを少し離して当てることで、水分による損傷を抑えます。
- スチームを適度に当てた後、形が整い始めたら、重石をそのままにしてしばらく放置します。
裏側からの押し出し法
この方法は、修正が難しいダンボールの簡易的な処理に適しています。
特に、損傷しても問題ないダンボールに最適です。
表面が凹んでしまったダンボールを裏から押し出すことで、凹みを目立たなくすることができます。
この方法は裏側にも凹みが生じる可能性があるため、その点を承知の上で行う必要があります。
【準備するもの】
- 特に必要なし(使用する場合はコップやお玉など)
●実施手順
- 凹んだ箇所を裏側から、指やコップの底、お玉などを使って押し出します。作業中は表面の変化に注意しながら押しましょう。
- 凹みが目立たなくなり形が整ってきたら、作業は完了です。
ダンボール修正時の重要な注意事項
ダンボールの凹みを修正する際、いくつか重要な点を心に留めておく必要があります。
完全修復は困難
紙やダンボールは、一度折れると紙繊維が断裂してしまうため、完全に元通りにすることは極めて難しいです。
特に、3層構造のダンボールでは中芯が損傷すると波形の形状が崩れ、強度が低下します。
さらに、修復を試みる過程でダンボールが紙であるため受けるダメージが増え、状態が悪化することもあります。
したがって、「完璧に修復する」というよりは、「目立たなくする程度の補修」に留めることが推奨されます。
目立たない部分でテストを行う
コーティングされているダンボールの場合、熱によってコーティングが縮んだり変形する恐れがあるため、特に注意が必要です。
しかし、コーティングのない普通のダンボールでも、アイロンの熱によってダンボールが傷んだり、状態が悪化する可能性があります。
重要なダンボールを扱う際は、代替品がないため特に慎重に行動する必要があります。
修正を始める前に、必ず目立たない部分で試し、影響を確認してから本格的に作業を行うようにしてください。
ダンボールの修正に関する概要
ダンボールは表ライナー、中芯、裏ライナーの三層構造で構成されており、その丈夫さは波の数によって異なります。
ダンボールの凹みを修正するのは一般的に難しい作業ですが、アイロンやスチームを使用することで目立たなくすることが可能です。
また、裏側から押し出す方法もありますが、これはあくまで一時的な解決策であり、完全な修復は期待できません。
修正方法を試す前には、ダンボールの目立たない部分でテストを行うことが推奨されます。
これにより、ダンボールがどの程度のダメージに耐えるかを確認できます。