冬の寒さ対策として重宝される使い捨てカイロですが、忙しい朝や疲れている夜に、ポケットに入れたまま洗濯してしまうことはしばしばあります。
多くの使い捨てカイロは不織布製で、水に比較的強いため、洗濯しても中身が漏れ出すことは少ないです。
しかし、洗濯機や他の衣類に影響を与える可能性はあるのでしょうか?
実際に、カイロが裂けて中身が漏れることがあり、それが衣類にシミをつけたり、洗濯機内で問題を引き起こすことがあります。
この記事では、カイロが洗濯機で洗われた際の具体的な影響と、カイロが破損した場合の適切な対処方法を詳しく解説します。
また、水に濡れた際のカイロの発火の危険性についての一般的な懸念にも答え、その真実を明らかにします。
カイロを洗濯してしまった際の疑問点について、この記事で一緒に解明していきましょう。
洗濯機で誤ってカイロを洗ってしまった時の中身とその影響は?
洗濯物の中からカイロを発見した際、中に何が含まれているのか気になることでしょう。
カイロには通常、以下の成分が含まれています。
・バーミキュライト(人工用土)
・鉄粉
・活性炭
・塩
・水
カイロの外袋は不織布製で、水に対して非常に強いため、破れることは稀です。
そのため、カイロが破れて中身が漏れ出る心配はほとんどありません。
カイロが破れずに洗濯機で洗われた場合は、再洗濯する必要はないでしょう。
その成分は基本的に人体に無害であり、洗濯物や洗濯機に損傷を与えることもありません。
ただし、カイロが破れて中の鉄粉が洗濯物に付着すると、鉄粉が錆びて茶色い跡が残る可能性があります。
そのような場合の適切な処理方法について、後述します。
カイロが破損した時の洗濯機への影響と対策方法
前述した通り、カイロの袋が無事であれば洗濯機への影響はありません。
しかし、カイロが破れて鉄粉が洗濯機内に漏れ出した場合、洗濯機が故障するリスクがあります。
この鉄粉が洗濯槽に蓄積すると、洗濯物に茶色のシミがつく可能性があり、また、機械自体にもダメージを与えることがあります。
対策としては、洗濯機を使用する前に洗濯槽を十分に乾燥させることが重要です。
鉄粉が底部に見られる場合は、掃除機で吸い取るか粘着テープで除去することを推奨します。
細かい部分の掃除には、古い歯ブラシが役立ちます。また、洗濯槽のゴミ取りネットの清掃も忘れずに行ってください。
次に、洗濯機の洗浄コースを利用して、洗濯槽全体を徹底的に洗い流しましょう。
この際、洗剤を使用せず、水のみで高水位に設定して鉄粉を洗い流すことがポイントです。
鉄粉は時間と共に機械の部品に固着することがあるため、迅速な対応が必要です。
自分で解決できない場合や、より専門的な清掃方法が必要な時は、洗濯機の製造元に相談するのが最も確実な方法です。
カイロが破れて衣類についた鉄さびシミの落とし方
洗濯中にカイロが破れ、衣類に茶色い鉄さびのシミが付いてしまった経験があるかもしれません。
このような頑固なシミをどうにかして取り除きたいですよね。
ここで有効なのが還元系漂白剤を使ったシミ取りです。
通常の洗濯では落ちにくい鉄さびですが、カイロの中身で衣類が汚れた場合、還元系漂白剤が効果的です。
この漂白剤は特に金属由来の汚れに対して強力な作用を発揮します。
市場には塩素系や酸素系の漂白剤もありますが、鉄さびのシミには還元系の使用が特に推奨されます。
適切な漂白剤を使用することで、シミをしっかりと取り除くことができるでしょう。
還元系漂白剤を使用してカイロのシミを除去する方法
- 漬け置き処理
まず、約40度の温水に還元系漂白剤を指定された量だけ溶かし、シミがついた衣類を浸します。ただし、衣類の繊維を傷めないために、2時間以上の長時間漬け置きは避けてください。また、水温が40度を超えないよう注意しましょう。高温は衣類のダメージにつながることがあります。 - すすぎ
シミが取れた後は、水でしっかりとすすぎを行います。この際、ゴム手袋を着用した手洗いが推奨されます。 - 乾燥
最後に、通常通り衣類を乾燥させます。
この方法はシンプルですが、色物や柄物の衣類では色落ちするリスクがあるため注意が必要です。
漂白剤の使用量は多いほど効果が上がるわけではないので、適切な量を守って使用しましょう。
また、他の洗剤や漂白剤との混合は避けてください。有害なガスが発生する危険があるためです。
プロのクリーニングサービスにシミ抜きを依頼するメリット
自宅で還元系漂白剤を使ってカイロの汚れを落とすことができますが、不安な場合は専門のクリーニングサービスを利用することをお勧めします。
特に大切な衣類については、プロに任せて完璧に処理してもらう方が安心です。
クリーニングサービスに依頼する際には、カイロを誤って洗濯した経緯を詳しく説明し、適切な処理を依頼してください。
特に、塩素系や酸素系の漂白剤を誤って使用するとシミが固定化される可能性がありますので、シミの種類を明確に伝えることが重要です。
カイロの中の鉄粉が洗濯機で発火するリスクはあるのか?
カイロが破れて中の鉄粉が洗濯機に入ると、発火の可能性について心配されることもありますが、実際にはカイロが発火することはほとんどありません。
カイロが暖かくなるのは、鉄が酸化することにより発生する熱を利用しているからです。
この反応は通常の使用条件下では発火するほどの温度には達しません。
また、使用後のカイロにはすでに酸化された鉄が含まれており、これが大きな熱を発生させることはありません。
水に濡れたカイロが発火するという都市伝説もありますが、水は温度を下げるだけで発火はしません。
ただし、鉄粉が洗濯機内に残ると錆の進行原因となるため、注意が必要です。
まとめ 誤ってカイロを洗濯してしまった場合の影響と破損時の対応策
カイロを誤って洗濯に含めてしまった場合でも、通常は人体、衣類、洗濯機への影響は少ないです。
しかし、カイロの袋が破れて中の成分が漏れ出した際は、錆びが洗濯物や洗濯機に付着することがあります。
このような場合、鉄粉を可能な限り取り除き、洗濯槽を徹底的に清掃することが推奨されます。発火のリスクについては心配無用です。
心配事が残る場合は、洗濯機の製造元に相談することを検討すると良いでしょう。
また、シミができた衣類には還元系漂白剤を用いると効果的に処理できます。